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Frequently Asked Questions Q&A

1. 基礎知識

ラジオアイソトープ(Radio Isotope:RI)とは?

同じ元素(原子番号)で重さ(質量)が異なる元素のことを「アイソトープ(Isotope:同位元素または同位体)」といい、このうち放射線を放出する能力(放射能)を持つアイソトープを「ラジオアイソトープ(Radio Isotope:RI または放射性同位元素、放射性同位体)」といいます。

RIの原子核は不安定なため、放射性崩壊と呼ばれる過程で放射線を放出することで安定します。
例えば、水素(H)のアイソトープは、自然界に多く存在する水素(陽子1個)の他に、重水素(陽子1個+中性子1個)、三重水素(陽子1個+中性子2個)があります。このうち、三重水素(H)の原子はRIのため不安定であり、β-(ベータマイナス)線を放出してヘリウム3(3He)に変化することで安定します。

放射線とは?

RIから放出される放射線には、アルファ線、ベータ線等の「粒子線」と、エックス線、ガンマ線等の「電磁波」の2種類があり、それらを総称して「放射線」といいます。
物質を通り抜ける強さ(透過力)は、放射線の種類によって異なります。

  • 粒子線:α(アルファ)線、β(ベータ:β+、β-)線、電子線、陽子線、中性子線、重粒子線など
  • 電磁波:X(エックス)線、γ(ガンマ)線など

自然放射線・人工放射線とは?

自然界(宇宙・空気・台地・食物など)にもともと存在している放射線を総称して「自然放射線」といいます。
自然放射線による年間被ばく量は、世界平均は約3.0ミリシーベルト(UNSCEAR2024年報告)、日本平均は約2.1ミリシーベルトです。

一方、医療や工業、農業などに利用するため人工的に作られた放射線を「人工放射線」といいます。
病気の診断などに用いられるエックス(X)線撮影、CTなどのエックス(X)線、核分裂のエネルギーを取り出す原子力発電所で生まれる放射線などが該当します。

※外部サイトへ:放射線被ばくの早見表(出典:量子科学技術研究開発機構)

半減期とは?

RIの放射能(放射線を放出する能力)が半分に減るまでの時間を「半減期」といいます。
RIが異なると、半減期の長さも異なります。このため、医療用には周囲への被ばくをできるだけ少なくするため、半減期の短いRIが使用されます。

核医学とは?

核医学は「RIを医療に応用する分野」と定義されます。
RIや、RIをつけた医薬品を用いて、生体内や試験管内における挙動を追跡し、診断・治療を行う分野です。
※核医学検査Q&A

放射性医薬品とは?

RIを含む医薬品を「放射性医薬品」といいます。
放射性医薬品は、核医学において診断や治療の目的で使用されます。

放射性医薬品は、診断・治療の対象となる臓器・組織に集まる物質(化合物、抗体、ペプチド等)にRIをつけています。目的や臓器・組織に応じて適切なRIが選択され、RIから放出される放射線(ガンマ線、アルファ線、ベータ線など)を利用して、病気の診断や治療を行います。

2. 核医学検査(RI検査)

核医学検査(アイソトープ検査・RI検査)とは?

SPECT 検査とは?

SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography:単一光子放射断層撮影)検査は、体内に投与した放射性医薬品から放出される単一光子(主にガンマ線)を専用カメラで撮影することにより、お薬の体内分布を画像化する検査です。
SPECT検査の撮像方法は「プラナー像」と「スペクト像」の2種類あります。

プラナー像:放射性医薬品から放出されるガンマ線の分布を、専用カメラを固定した状態で平面(2次元)的に計測して画像にする画像表示方法です。時間をかけて撮影するため、画素サイズを小さくし、高解像度の画像を得ることができます。

スペクト(単一光子放射断層撮影)像:立体(3次元)的な可視化を行うための画像表示方法で、専用カメラを円軌道や楕円軌道で回転させながら体内から放出されるガンマ線を撮影し、その分布を断層画像にしたものです。体内深部のお薬の分布情報を得ることができます。

PET(ペット)検査とは?

PET(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層撮影)検査は、ポジトロン(陽電子)という物質を含んだ放射性医薬品を注射し、そこから出る放射線(ガンマ線)を専用カメラで撮影することにより、お薬の体内分布を画像化する検査です。

核医学検査(SPECT、PET)と他の画像検査との違いは?

核医学検査は、体の働き(血流や代謝、臓器の機能)が正常かどうかを調べる「機能敵検査」です。一方、X線やCT、MRI、超音波検査は、体(臓器)の形や構造を詳しく調べる「解剖学的(形態)検査」となります。

X線:レントゲン検査ともいいます。X線を一方向から体にあてると、体を通過したX線の量の差が、影の濃淡としてモノクロ画像で見ることができます。

CT:いろいろな方向から体にX線をあてて、水分、骨、脂肪、空気など体の中にある成分によるX線の吸収率の違いをコンピューターで処理し、体の断面を画像にしたものです。また、SPECT像(3次元)やPET画像(3次元)とCT検査の形態画像とを組み合わせることで、人体組織におけるガンマ線の減弱を補正したり、体のどの部位にRIが集積しているのが判断しやすくなるという利点があります。

MRI:強力な磁石と電波を使って磁場を発生させ、強力な磁場が発生しているトンネル状の装置の中で、FMラジオなどで用いられている周波数の電波を体にあて、縦、横、ななめなど、体のさまざまな方向の断面を画像にしたものです。

例えば、X線検査は体の外から放射線をあてて体を通過したX線の量を検出して画像化しますが、核医学検査は放射性医薬品を投与・服用して体の中から放出される放射線を体外から検出して画像化します。

核医学検査による被ばくの程度は?

核医学検査による1回あたりの被ばく量は「0.2~8ミリシーベルト」です。
X線検査と大きな違いはありません。

※外部サイトへ:放射線被ばくの早見表(出典:量子科学技術研究開発機構)

核医学検査による副作用(安全性)は?

放射性医薬品(検査)の副作用調査※によると、1年間の副作用の発生は10万人あたり1~2人(発現率:0.01~0.02%)と非常に少ないのが特徴です。
副作用の症状としては、一時的な気分不良、嘔気、血圧低下、皮膚発赤、発疹、そう痒感などでした。

検査用の放射性医薬品に含まれるアイソトープの量はわずかで、放射線影響の点から見ても心配はありません。

※日本アイソトープ協会医学・薬学部会放射性医薬品安全性専門委員会

3. 核医学治療(RI治療)

核医学治療(RI内用療法、RI治療)とは?

放射線が治療に使われる理由は?

放射線は、細胞のDNAにダメージを与えます。特にがん細胞は細胞分裂が盛んなため、正常細胞に比べて大きな影響を受けることが知られています。
こうした特性を利用して、「放射線を身体の外から照射する」、「放射線を放出するお薬を注射・内服する」、「放射線を放出する器具を体内に埋め込む」などして、がん細胞の増殖をおさえたり、がんを消滅させます。

放射線治療と核医学治療の違いは?

放射線治療は、体の外からがんに向かって放射線を当てる「外部照射」という治療法です。
一方、核医学治療は、放射性医薬品や密封放射線源(放射線を放出する器具)を用いて体の内側からがんやその周辺に放射線を当てる「内部照射」する治療法です。

核医学治療の対象となる病気は?

代表的なものとして、バセドウ病、甲状腺癌、前立腺がん骨転移、悪性リンパ腫、膵・消化管神経内分泌腫瘍、交感神経系神経内分泌腫瘍(褐色細胞腫、パラガングリオーマ、神経芽腫)があります。

核医学治療(開始前~実施)の流れは?

核医治療開始前に、核医学検査(ガンマ線を放出するRI)で治療薬の体内分布を予測し、核医学治療の適応を判断します。その後、アルファ線やベータ線を放出するRIを含む治療薬を用いて核医学治療が行われます。

核医学治療による副作用(安全性)は?

核医学治療で使用される治療用放射性医薬品は、投与後速やかに病変部位に集まりますが、病変部位に集まらなかったお薬の多くは尿や糞便などで体の外に排出されます。
病変部位に集まったお薬からは一定期間放射線が放出され、病変部位に対して治療効果が持続します。

一方、正常組織にもわずかですが放射線があたります。特に、放射線に対する感度が高い骨髄などは影響を受けやすく、血液を作る能力にわずかに影響が生じることがありますが、症状に繋がることはほとんどありません。腸や唾液腺への影響として、吐き気や唾液腺痛などの症状が一時的に現れることがあります。