SPECT検査

SPECT検査SPECT検査

SPECT画像(SPECT:Single Photon Emission Computed

体内に投与した放射性医薬品はその化学形に従って、特定の臓器、組織あるいは細胞に選択的に分布する性質を持っています。この時に、分布先の放射性医薬品から出てくる放射線を、一定時間単位で測定(方向と数量)していきます。この操作を体の360度断面上で繰り返し、コンピューター計算して最終的に、断面画像上の放射性医薬品の分布画像として表します。Single Photonと呼ぶ放射線を出すRIを用いた断層画像をSPECT(スペクト)と呼び、この検査をSPECT検査と呼びます。

SPECT画像の例。脳を観察した結果を集合
SPECT画像の例。脳を観察した結果を集合

最近は、機能面での画像化に優れるSPECT画像と解剖学的な位置表示に正確なX線CTまたはMRI画像を重ね合わせて、さらに有益な情報を得るようにすることも可能となりました。

データをコンピューター処理して応用した例データをコンピューター処理して応用した例
データをコンピューター処理して応用した例。
さまざまな病気の状態を細胞機能から追求

放射性医薬品は、癌・脳・心臓の三大疾患などで重要かつ貴重な情報を提供しています。
例えば、心筋梗塞の発作の後に、「心臓の働く力がどの程度あるか。」は患者さんの治療の仕方や、生活の仕方を考える上で、非常に重要な判断材料の一つです。

放射性医薬品を注射して、心筋血流の画像を撮影し、同時に放射能量を計算し、心臓が全身に血液を送りだす量を求められます。また、放射性医薬品が生きた細胞に取り込まれる性質を用いて、虚血発作の後で、「生き残った細胞がどこの部分にどのくらいあるか」も、画像の上からわかります。

「どこに生きた細胞がどのくらいあって、どこの細胞が発作の影響を受けたか」その結果「心臓にどのくらいの働きが残っているか」の情報をSPECTにより画像で表現し、病気の状態を把握することができます。

心臓のSPECT画像
心臓のSPECT画像。
これを基に種々情報が得る
心筋の状態を治療の前後で観察した応用画像例
心筋の状態を治療の前後で観察した応用画像例

プラナー画像

プラナー画像は放射性医薬品からでる放射線の分布をシンチカメラで平面的に計測し画像にする方法です。

画像は悪性腫瘍例です。腫瘍細胞は進行すると転移します。 癌病巣のある骨に取り込まれやすい放射性医薬品を使うと、どこの骨に癌細胞が転移しているかが、全身を通して画像で見ることができます。ほかの検査では直接全ての骨を観察することができませんので、とても重要な情報です。

ガンマカメラで全身の骨を撮影した全身画像
ガンマカメラで全身の骨を撮影した全身画像

また、片方の腎臓の能力だけが落ちる病気がありますが、これも注射して画像で判断できる放射性医薬品があります。腎臓が尿を作るプロセスに従って、尿に出てくる放射性医薬品を用いると、働いている腎臓を判断することができます。左右個々の腎機能に密着した画像や機能の診断方法として重要となっています。

ガンマカメラで全身の骨を撮影した全身画像
ガンマカメラで全身の骨を撮影した全身画像