X線-CT

X線-CTX線-CT

X線画像

X線CT画像
(X-ray Computed Tomography)

X線コンピューテッドトモグラフはHounsfield博士らによって発明され、ノーベル賞を受賞しました。測定の原理は、360度の全方位から組織のX線透過率をコンピューターで計算し、各断層面上の特定位置のX線吸収率の算出から、各点の吸収率を求め、これらを集合して一つの断層画面として表示したものです。
交通事故などで病院に搬送されたとき、頭の障害が予想されると急いでX線CT画像を撮影して、脳内出血の有無を確認しています。また、X線CT画像は臓器の形あるいは大きさとか、質(例えば、骨は充分あるかとか脂肪が多いかとか)を画像で見ることが可能ですので、いろいろな診断に使われています。
最近は、多検出管を用い、心電図と同期させた高速撮像可能なX線CTが可能となり、X線CT画像の得意であった解剖学的に精緻な画像に加え、心臓などの機能面の情報も得られようになってきました。

X線CT画像
X線CT画像

横隔膜下から上腹部を順に撮像した連続画像です。
上が正面で下が背面(背骨側)です。写真左の大きな臓器は肝臓(A)で、背骨の両側に腎臓(B)が丸い形で見えます。

単純レントゲン画像

写真を撮るように、X線を直接身体に当て、透過してくるX線を写真乾板上に写して画像を撮る方法です。
撮像の原理は、やはりX線の透過率の差です。例えば、肺臓では肺胞の中には空気が多くありますのでX線は非常によく通過します。肺臓に炎症が起これば、体液が病巣を中心に集まったり、周辺に漏れ出たりする結果、病巣の部分ではX線が水によって邪魔(吸収/散乱)され、通過しにくくなります。単純レントゲン画像では組織の構成成分によってX線の透過率が異なり、画像の中では、濃淡の差が表現されます。

単純レントゲン写真
単純レントゲン写真
おなじみの胸部単純X線正面像

X線透視画像

透過するX線がつくる画像です。心臓のインターベンションなどの手術では、X線透視画像を見ながら行なわれます。まず、ガイドワイヤーという金属製の線を透視画像で場所を確認しながら、動脈の中を目的の血管内病巣あるいは臓器病巣近傍まで導いて行きます。多くは脚の付け根(股動脈)から、大動脈を血流に逆行して、心臓に向けて入れますので、透視画像が必要です。後から入れる血管カテーテルの先端にもX線を通さない金属製の印を付け、管の先端が目的部分に到着したことを体の外側から、X線透視で確認するためのものです。

心臓の冠動脈を見ています。

動脈が細くなっていると心臓の筋肉への血液供給が不足し、いろいろな症状が出てきます。
写真の左側の真直ぐな白線はカテーテル(大動脈内)です。

LCA(左回施枝
LCA(左回施枝) X線の透視画像