MRI

MRIMRI

MRI画像

MRI検査では、体に磁場をかけて、体の水素原子の回転軸を揃えた後、各水素原子に共鳴する電波(反磁場)をかけます。この時水素原子がエネルギーを吸収し回転軸が動きます(歳差運動)、共鳴電波を止めると吸収していたエネルギーが電波となって発生して、初めに磁場で揃えた軸方向に原子の回転軸が戻る現象を分析し、画像化するものです。
MRIの画像ができるまでの原理はBlochとPurcellによって発明されました。この功績により、彼らは1962年にノーベル医学生理学賞を受賞しました。
その後、2003年には、画像化に貢献した米イリノイ大のポール・ラウターバー教授(74歳:1973年に、水素原子から出てくる電磁波の分布を画像化するための基本原理を発表)と、英ノッティンガム大のピーター・マンスフィールド名誉教授(69歳:マンスフィールド氏が高速で画像化する方法を開発)がノーベル医学生理学賞を受賞しました。
MRI検査は、X線のような被ばくもなく、肉眼では見られない脳やさまざまな臓器の様子を詳しく把握できるのが特長です。

臨床意義

当初は頭蓋、背骨(脊柱)、あるいは血管などを中心とした癌/骨折等々の解剖学的画像が見られてきたが、最近は、高磁場を使用する事により、より精緻な画像を得られるようになりました。動脈走行網、動脈瘤、胆管、尿管など脈管系の描出も可能となっています。また心臓血管系など多くの病気の診断に役立っています。

MRI画像
MRI画像:頭蓋内(脳)
画像は、MRIで大脳半球を撮像したものです。左右の画像は同じ断面ですが、撮像条件が異なっています。
専門家は、観察する目的や部位によって、さまざまな画像を使い分けて検討しています。