核医学

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ガンマカメラによる断層撮影

ガンマカメラによる断層撮影

放射性医薬品を用いた医学分野は核医学(Nuclear Medicine)と呼ばれています。
核医学は放射性医薬品の体内での動きを体外から検出して診断に利用する核医学検査と、放射線の生物学的作用を利用してがんなどの治療を行うRI内用療法があります。
核医学検査についてのご理解を深めていただく目的で、日本核医学会、日本核医学技術学会および日本アイソトープ協会の3団体共同で核医学検査Q&Aが作成されています。

核医学検査Q&A [PDF]

核医学検査

核医学検査には放射性医薬品の体内での分布などを画像にして検査する方法と、画像にせずトレーサとして体外からRIを検出する検査*1があります。いずれも体の中に入れた放射性医薬品からでるRIを検出するため、多くの場合、画像も含めてRIを検出します。RI分布画像を得ることをシンチグラフィーまた得られたRI分布画像をシンチグラムと呼びます。

*1 画像を得ない検査として甲状腺機能、肝機能、腎機能、赤血球など血液成分測定の検査などがあります。

SPECT検査(スペクト検査)

シンチグラムは体の断層を画像にしたSPECT検査が多く用いられます。体の中から出てくる放射線を検出し、計算することでRI分布を断層画像にして検査に用います。このとき用いるRIの種類(核種)のうち単一光子放出(Single Photon Emission)RIから得られる断層像(Tomography)をSPECT(スペクト)と呼び、この検査をSPECT検査と呼びます。

PET検査(ペット検査)

SPECT検査では単一光子放出RIを用いるのに対し、陽電子(Positoron:ポジトロン)を放出する種類のRIを用いた断層画像を得る方法がPET検査です。FDGというブドウ糖に18F(フッ素18)を標識した薬剤を用いて、悪性腫瘍の検査や心臓の検査を行うことが出来るようになり注目されています。
PET検査はSPECT検査と同様、用いる放射性薬剤を工夫することにより、いろいろな病気の診断に使用することができます。また、炭素、窒素、酸素などの生体内に多く含まれている元素のRI(11Cや13N、15Oなど)、あるいは水素の代わりとして化合物に導入しやすい18FなどのRIを使えるため、生体分子を画像化する分子イメージングの有力な方法とされています。
PETに用いる核種は半減期がたいへん短いものが多いため、医療機関で薬剤を合成して使われているものもあります。

RI内用療法

特定の細胞に集まる放射性医薬品から出るβ線などにより、腫瘍など特定の細胞を破壊する放射線治療。
体内に入ったくすりからの放射線により治療することから、RI内用療法またはアイソトープ治療と呼ばれます。