3.組成・性状3.1組成本品は、バイアルA及びバイアルBの2バイアルにて構成される。販売名ニューロライト第一バイアルAバイアルB有効成分1バイアル中N,N’-(1,2-エチレン)ビス-L-システインジエチルエステル二塩酸塩0.90mg-添加剤1バイアル中塩化スズ(Ⅱ)二水和物0.072mg、エデト酸ナトリウム水和物0.36mg、D-マンニトール24.0mg、塩酸適量1バイアル中1mLリン酸二水素ナトリウム一水和物0.460mg、リン酸水素二ナトリウム七水和物4.105mg3.2製剤の性状販売名ニューロライト第一外観バイアルA:白色結晶性粉末バイアルB:無色澄明の液調製後注射液([N,N’-エチレンジ-L-システイネート(3-)]オキソテクネチウム(99mTc),ジエチルエステル):無色澄明の液pH調製後注射液:6.5〜7.5浸透圧比調製後注射液:約1(生理食塩液に対する比)4.効能又は効果局所脳血流シンチグラフィ6.用法及び用量〈[N,N’-エチレンジ-L-システイネート(3-)]オキソテクネチウム(99mTc),ジエチルエステル注射液の調製〉・放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ」の溶出液400~800MBq(3mL以下)をバイアルBに加える。・日局生理食塩液3.0mLをバイアルAに加えて振り混ぜ、内容物を溶かす。・バイアルAの溶液1.0mLを直ちにバイアルBに加えて振り混ぜ、室温に30分間静置する。〈局所脳血流シンチグラフィ〉通常、成人には400~800MBqを静脈内に投与し、投与5分以降より被検部にガンマカメラ等の検出部を向け撮像もしくはデータを収録し、脳血流シンチグラムを得る。なお、投与量は、年齢、体重および検査方法により適宜増減する。8.重要な基本的注意診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。9.特定の背景を有する患者に関する注意9.5妊婦妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。9.6授乳婦診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。9.7小児等小児等を対象とした臨床試験は実施していない。9.8高齢者患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。11.副作用次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。11.1重大な副作用11.1.1ショック(頻度不明)11.2その他の副作用頻度不明過敏症紅斑、蕁麻疹、そう痒感、発疹消化器嘔気、嘔吐その他しびれ、発熱14.適用上の注意14.1薬剤調製時の注意14.1.1放射化学的純度に影響を及ぼすテクネチウム99などの影響を除くため、放薬基「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ」の溶出液を使用すること。14.1.2本品の調製は無菌的に行い、また適当な鉛容器で遮蔽して行うこと。14.1.3本品の調製の際、バイアル内に空気を入れないこと、またバイアル内を陽圧にしないこと。14.1.4調製後は、放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。16.薬物動態16.3分布16.3.1健常人を対象とした臨床試験では、[N,N’-エチレンジ-L-システイネート(3-)]オキソテクネチウム(99mTc),ジエチルエステル(99mTc-ECD)の脳への集積は投与後直ちに始まり、投与20~40秒後に最大となり、その後、極めてゆっくりとwash-outされた。投与後5分で投与量の5.4±0.5%、投与後65分で投与量の5.0±0.3%が脳実質に保持された。また、肺及び肝臓への集積は、投与後5分でそれぞれ投与量の7.5±1.7%、7.1±1.1%であったが、消失は迅速であり、投与後65分にはそれぞれ投与量の2.2±0.5%、2.4±0.6%へ速やかに低下した1)。*2022年3月改訂(第2版)2021年5月改訂(第1版)貯法:室温保存有効期間:製造日から18箇月間注)注意-医師等の処方箋により使用すること日本標準商品分類番号874300承認番号20600AMY00006000販売開始1994年5月放射性医薬品/局所脳血流診断薬放射性医薬品基準[N,N’-エチレンジ-L-システイネート(3-)]オキソテクネチウム(99mTc),ジエチルエステル注射液調製用Neurolite®Daiichi処方箋医薬品注)16.3.2吸収線量MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである1)。臓器吸収線量(mGy/MBq)臓器吸収線量(mGy/MBq)2.5時間後排尿4.5時間後排尿2.5時間後排尿4.5時間後排尿脳0.00510.0051大腸上部0.00680.0073肺0.00150.0015大腸下部0.0110.012心臓0.00430.0043膀胱壁0.0730.11肝臓0.00160.0016卵巣0.00490.0062脾臓0.00130.0013精巣0.00510.0062腎臓0.00320.0035全身0.00100.0010小腸0.00510.005716.5排泄99mTc-ECDの主要排泄経路は腎-尿路系であり、投与後90分までに投与量の60.2±7.3%、投与後24時間までに投与量の88.5±10.3%が尿中へ排泄された1)。17.臨床成績17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国内第Ⅲ相臨床試験脳血管障害及び脳機能障害患者(脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳内出血、クモ膜下出血、アルツハイマー型痴呆、てんかん等)521例を対象とした第Ⅲ相臨床試験の結果、有効性解析症例510例中486例(95.3%)において臨床診断に有効な情報が得られ、145例(28.4%)が極めて有用、299例(58.6%)が有用と評価された2)。521例中、副作用は認められなかった。18.薬効薬理18.1測定法本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。18.2集積機序中性、脂溶性の99mTc-ECDは、容易に血液脳関門を透過し、局所脳血流に比例して脳実質に取り込まれる3)。脳細胞ではサイトゾール分画に70%以上が分布している。アカゲザルの脳組織を用いたインビトロの検討では、99mTc-ECDが脳組織中で水溶性の単一なモノアシド-モノエステル体に迅速に加水分解され、この分解物は血液脳関門を透過しないことが確認されている。また、アカゲザルに99mTc-ECDを静脈内投与した際、同一の分解物が脊髄液中に確認されることより、99mTc-ECDは血液脳関門を透過後、エステル基が加水分解を受け、水溶性物質に分解されることにより脳実質に保持されると想定される4)。19.有効成分に関する理化学的知見19.1[N,N’-エチレンジ-L-システイネート(3-)]オキソテクネチウム(99mTc),ジエチルエステル調製前の化合物:N,N’-(1,2-エチレン)ビス-L-システインジエチルエステル二塩酸塩分子式:C12H24N2O4S2・2HCl分子量:397.38化学構造式:核物理学的特性(99mTcとして)・物理的半減期:6.015時間・主なγ線エネルギー:141keV(89.1%)・減衰表:経過時間(時間)残存放射能(%)経過時間(時間)残存放射能(%)経過時間(時間)残存放射能(%)-3141.3935.4218.9-2125.91031.6227.9-1112.21128.2237.101001225.1246.3189.11322.4255.6279.41419.9265.0370.81517.8274.5463.11615.8284.0556.21714.1293.5650.11812.6303.2744.61911.2839.82010.022.包装2セット[1セット(Aバイアル、Bバイアル)×2]、5セット[1セット(Aバイアル、Bバイアル)×5]23.主要文献1)久保敦司,ほか:核医学.1992;29:1019-10272)米倉義晴,ほか:核医学.1993;30:397-4103)OrlandiC,etal.:Stroke.1990;21:1059-10634)WalovitchRC,etal.:JNuclMed.1989;30:1892-190124.文献請求先及び問い合わせ先PDRファーマ株式会社製品情報センター電話番号0120-383-624〒104-0031東京都中央区京橋2-14-1兼松ビルディング26.製造販売業者等26.1製造販売元26.2輸入先LantheusMedicalImaging,Inc.(米国)**212203K1