2022年3月改訂(第10版)日本標準商品分類番号医薬品インタビューフォーム日本病院薬剤師会のIF記載要領2018(2019年更新版)に準拠して作成放射性医薬品/甲状腺疾患診断薬日本薬局方ヨウ化ナトリウム(131I)カプセル874300剤形製剤の規制区分規格・含量一般名製造販売承認年月日薬価基準収載・販売開始年月日製造販売(輸入)・提携・販売会社名医薬情報担当者の連絡先問い合わせ窓口カプセル剤処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)1カプセル中,ヨウ化ナトリウム(131I)液として3.7MBq含有(検定日時)和名:ヨウ化ナトリウム(131I)洋名:SodiumIodide(131I)製造販売承認年月日:1990年8月2日薬価基準収載年月日:1990年8月2日販売開始年月日:1995年4月10日(1995年4月1日にダイナボット社の製造承認を承継した.)製造販売元:PDRファーマ株式会社PDRファーマ株式会社製品情報センター電話番号0120-383-624〒104-0031東京都中央区京橋2-14-1兼松ビルディングホームページ:https://www.pdradiopharma.com本IFは2022年3月改訂の添付文書の記載に基づき改訂した。最新の情報は,独立行政法人医薬品医療機器総合機構の医薬品情報検索ページで確認してください。医薬品インタビューフォーム利用の手引きの概要-日本病院薬剤師会-1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯医療用医薬品の基本的な要約情報として、医療用医薬品添付文書(以下、添付文書)がある。医療現場で医師・薬剤師等の医療従事者が日常業務に必要な医薬品の適正使用情報を活用する際には、添付文書に記載された情報を裏付ける更に詳細な情報が必要な場合があり、製薬企業の医薬情報担当者(以下、MR)等への情報の追加請求や質疑により情報を補完してきている。この際に必要な情報を網羅的に入手するための項目リストとして医薬品インタビューフォーム(以下、IFと略す)が誕生した。1988年に日本病院薬剤師会(以下、日病薬)学術第2小委員会がIFの位置付け、IF記載様式、IF記載要領を策定し、その後1998年に日病薬学術第3小委員会が、2008年、2013年に日病薬医薬情報委員会がIF記載要領の改訂を行ってきた。IF記載要領2008以降、IFはPDF等の電子的データとして提供することが原則となった。これにより、添付文書の主要な改訂があった場合に改訂の根拠データを追加したIFが速やかに提供されることとなった。最新版のIFは、医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)の医療用医薬品情報検索のページ(http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/)にて公開されている。日病薬では、2009年より新医薬品のIFの情報を検討する組織として「インタビューフォーム検討会」を設置し、個々のIFが添付文書を補完する適正使用情報として適切か審査・検討している。2019年の添付文書記載要領の変更に合わせ、「IF記載要領2018」が公表され、今般「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」に関連する情報整備のため、その更新版を策定した。2.IFとはIFは「添付文書等の情報を補完し、医師・薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な、医薬品の品質管理のための情報、処方設計のための情報、調剤のための情報、医薬品の適正使用のための情報、薬学的な患者ケアのための情報等が集約された総合的な個別の医薬品解説書として、日病薬が記載要領を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製造販売又は販売に携わる企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。IFに記載する項目配列は日病薬が策定したIF記載要領に準拠し、一部の例外を除き承認の範囲内の情報が記載される。ただし、製薬企業の機密等に関わるもの及び利用者自らが評価・判断・提供すべき事項等はIFの記載事項とはならない。言い換えると、製薬企業から提供されたIFは、利用者自らが評価・判断・臨床適用するとともに、必要な補完をするものという認識を持つことを前提としている。IFの提供は電子データを基本とし、製薬企業での製本は必須ではない。3.IFの利用にあたって電子媒体のIFは、PMDAの医療用医薬品情報検索のページに掲載場所が設定されている。製薬企業は「医薬品インタビューフォーム作成の手引き」に従ってIFを作成・提供するが、IFの原点を踏まえ、医療現場に不足している情報やIF作成時に記載し難い情報等については製薬企業のMR等へのインタビューにより利用者自らが内容を充実させ、IFの利用性を高める必要がある。また、随時改訂される使用上の注意等に関する事項に関しては、IFが改訂されるまでの間は、製薬企業が提供する改訂内容を明らかにした文書等、あるいは各種の医薬品情報提供サービス等により薬剤師等自らが整備するとともに、IFの使用にあたっては、最新の添付文書をPMDAの医薬品医療機器情報検索のページで確認する必要がある。なお、適正使用や安全性の確保の点から記載されている「V.5.臨床成績」や「XII.参考資料」、「XIII.備考」に関する項目等は承認を受けていない情報が含まれることがあり、その取り扱いには十分留意すべきである。4.利用に際しての留意点IFを日常業務において欠かすことができない医薬品情報源として活用していただきたい。IFは日病薬の要請を受けて、当該医薬品の製造販売又は販売に携わる企業が作成・提供する、医薬品適正使用のための学術資料であるとの位置づけだが、記載・表現には医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の広告規則や販売情報提供活動ガイドライン、製薬協コード・オブ・プラクティス等の制約を一定程度受けざるを得ない。販売情報提供活動ガイドラインでは、未承認薬や承認外の用法等に関する情報提供について、製薬企業が医療従事者からの求めに応じて行うことは差し支えないとされており、MR等へのインタビューや自らの文献調査などにより、利用者自らがIFの内容を充実させるべきものであることを認識しておかなければならない。製薬企業から得られる情報の科学的根拠を確認し、その客観性を見抜き、医療現場における適正使用を確保することは薬剤師の本務であり、IFを利用して日常業務を更に価値あるものにしていただきたい。(2020年4月改訂)目次I.概要に関する項目…………………………………….11.開発の経緯……………………..12.製品の治療学的特性………………13.製品の製剤学的特性………………14.適正使用に関して周知すべき特性……15.承認条件及び流通・使用上の制限事項..16.RMPの概要……………………1II.名称に関する項目…………………………………….21.販売名…………………………22.一般名…………………………23.構造式又は示性式………………..24.分子式及び分子量………………..25.化学名(命名法)又は本質…………26.慣用名,別名,略号,記号番号……..2III.有効成分に関する項目………………………………31.物理化学的性質………………….32.有効成分の各種条件下における安定性..33.有効成分の確認試験法,定量法……..4IV.製剤に関する項目…………………………………….51.剤形…………………………..52.製剤の組成……………………..53.添付溶解液の組成及び容量…………54.力価…………………………..55.混入する可能性のある夾雑物……….56.製剤の各種条件下における安定性……57.調製法及び溶解後の安定性…………68.他剤との配合変化(物理化学的変化)..69.溶出性…………………………610.容器・包装……………………..611.別途提供される資材類…………….612.その他…………………………6V.治療に関する項目…………………………………….71.効能又は効果……………………72.効能又は効果に関連する注意……….73.用法及び用量……………………74.用法及び用量に関連する注意……….75.臨床成績……………………….7VI.薬効薬理に関する項目………………………………91.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群92.薬理作用……………………….9VII.薬物動態に関する項目…………………………….101.血中濃度の推移…………………102.薬物速度論的パラメータ………….103.母集団(ポピュレーション)解析…..114.吸収………………………….115.分布………………………….116.代謝………………………….127.排泄………………………….128.トランスポーターに関する情報……..129.透析等による除去率………………1210.特定の背景を有する患者…………..1211.その他………………………..12VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目…..131.警告内容とその理由………………132.禁忌内容とその理由………………133.効能又は効果に関連する注意とその理由134.用法及び用量に関連する注意とその理由135.重要な基本的注意とその理由……….136.特定の背景を有する患者に関する注意..137.相互作用………………………148.副作用………………………..149.臨床検査結果に及ぼす影響…………1410.過量投与………………………1411.適用上の注意…………………..1412.その他の注意…………………..15IX.非臨床試験に関する項目…………………………161.薬理試験………………………162.毒性試験………………………16X.管理的事項に関する項目…………………………181.規制区分………………………182.有効期間………………………183.包装状態での貯法………………..184.取扱い上の注意…………………185.患者向け資材…………………..186.同一成分・同効薬………………..187.国際誕生年月日…………………188.製造販売承認年月日及び承認番号,薬価基準収載年月日,販売開始年月日……..199.効能又は効果追加,用法及び用量変更追加等の年月日及びその内容…………..1910.再審査結果,再評価結果公表年月日及びその内容………………………..1911.再審査期間…………………….1912.投薬期間制限に関する情報…………1913.各種コード…………………….1914.保険給付上の注意………………..19XI.文献…………………………………………………201.引用文献………………………202.その他の参考文献………………..20XII.参考資料……………………………………………211.主な外国での発売状況…………….212.海外における臨床支援情報…………21XIII.備考………………………………………………….221.調剤・服薬支援に際して臨床判断を行うにあたっての参考情報………………222.その他の関連資料………………..22I.概要に関する項目I.概要に関する項目1.開発の経緯甲状腺疾患に対するラジオアイソトープ(RI)の利用は,1934年Fermiの放射性ヨウ素の発見,1938年Hertzら,続いてHamiltonらの甲状腺疾患の診断の研究により始められた.最初は130I(一部128I)が主として用いられ,1945年頃より131Iの臨床利用が行われ,1946年米国原子力委員会から大量の131Iの供給が可能になって始めて131Iによる甲状腺疾患への臨床研究が広く行われるようになった.本邦でも1952年より入手可能になった1).2.製品の治療学的特性131Iは経口投与されると選択的に甲状腺又は甲状腺機能を持つ部位へ集まり,その残りの131Iは速やかに腎より排泄される.従って他器官,他組織への被曝は軽微である2).3.製品の製剤学的特性ヨウ化ナトリウム(131I)溶液として飲用した際,口咽喉部に131Iが付着し,アーチファクトを示す可能性がある.また,錠剤は成形しにくいという欠点がある.従って飲用のしやすさ,成形のしやすさから,ヨウ化ナトリウム(131I)溶液をカプセル基剤に滴下して乾燥させたカプセル剤と設定された.4.適正使用に関して周知すべき特性適正使用に関する資材,最適使用推進ガイドライン等RMP追加のリスク最小化活動として作成されている資材最適使用推進ガイドライン保険適用上の留意事項通知5.承認条件及び流通・使用上の制限事項(1)承認条件該当しない(2)流通・使用上の制限事項該当しない6.RMPの概要該当しない有無無無無無(2022年3月時点)1II.名称に関する項目II.名称に関する項目1.販売名(1)和名ラジオカップ3.7MBq(2)洋名RADIOCAP®(3)名称の由来該当資料なし2.一般名(1)和名(命名法)ヨウ化ナトリウム(131I)(JAN)ヨウ化ナトリウム(131I)カプセル(日本薬局方,放射性医薬品基準)(2)洋名(命名法)SodiumIodide(131I)(JAN)SodiumIodide(131I)Capsules(日本薬局方,放射性医薬品基準英文版)(3)ステム(stem)該当しない3.構造式又は示性式Na131I4.分子式及び分子量分子式:Na131I分子量:153.995.化学名(命名法)又は本質SodiumIodide(131I)Capsules(JAN),SodiumIodideI131〔Capsules〕(USP)6.慣用名,別名,略号,記号番号131IカプセルNa131I2III.有効成分に関する項目III.有効成分に関する項目本項目は,131Iの核物理学的特性について記載する.1.物理化学的性質(1)外観・性状該当資料なし(2)溶解性該当資料なし(3)吸湿性該当資料なし(4)融点(分解点),沸点,凝固点該当資料なし(5)酸塩基解離定数該当資料なし(6)分配係数該当資料なし(7)その他の主な示性値131Iの核物理学的特性1)物理的半減期2)主なγ線エネルギー3)主なβ線エネルギー4)β線組織内飛程2mm5)減衰表8.02070日365keV(81.7%)606keV(89.5%)経過日数残存放射能経過日数(日)(%)(日)-3129.68-2118.99-1109.010010011191.712284.113377.214470.815564.916659.517754.6182.有効成分の各種条件下における安定性該当資料なし残存放射能経過日数(%)(日)(%)50.11919.445.92017.842.12116.338.72214.935.52313.732.52412.629.82511.527.42610.625.1279.723.0288.921.1298.2残存放射能3III.有効成分に関する項目3.有効成分の確認試験法,定量法確認試験法(1)本品1個又は本品1個を適量の温湯に溶かした液について,放射性医薬品基準一般試験法物理的試験法ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき,0.365MeVにピークを認める.(2)放射化学的異物本品1個を適量の温湯に溶かした液について,ヨウ化ナトリウム0.5g,ヨウ素酸ナトリウム1.0g及び炭酸水素ナトリウム5.0gに水を加えて溶かして100mLとした液1滴を担体として,75vol%メタノールを展開溶媒として,放射性医薬品基準一般試験法物理的試験法ろ紙クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行うとき,ヨウ素酸塩のスポットの放射能はヨウ化物のスポットの総放射能の5%以下であり,ヨウ化物及びヨウ素酸塩のスポット以外の部分については,原点にわずかに放射能を認めることがあっても,その他の部分に放射能を認めない.なお,ヨウ化物及びヨウ素酸塩のスポットは,担体を試料として同様に展開を行い,次の操作により確認する.展開したろ紙を乾燥し,ガラス管に入れて1~2分間硫化水素を通じた後,フルオレセインナトリウム溶液(1→1000)を噴霧し,更に塩素試液を噴霧するとき,ヨウ化物及びヨウ素酸が呈色する.展開したろ紙に硫化水素を通じないでフルオレセインナトリウム溶液(1→1000)を噴霧し,更に塩素試液を噴霧するとき,ヨウ化物のみが呈色する.定量法本品1個又は本品1個を適量の温湯に溶かした液について,放射性医薬品基準一般試験法物理的試験法ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する.4IV.製剤に関する項目IV.製剤に関する項目1.剤形(1)剤形の区別剤形:カプセル剤(2)製剤の外観及び性状外観:本品は頭部(淡青色),胴部(白色)のカプセル剤である.(3)識別コード該当しない(4)製剤の物性該当資料なし(5)その他該当しない2.製剤の組成(1)有効成分(活性成分)の含量及び添加剤販売名ラジオカップ3.7MBq1カプセル中有効成分ヨウ化ナトリウム(131I)液3.7MBq(検定日時)添加剤カプセル内容物カプセル基剤(2)電解質等の濃度該当しない(3)熱量該当しない3.添付溶解液の組成及び容量該当しない4.力価該当しない5.混入する可能性のある夾雑物ヨウ化カリウム2.50μg青色1号ラウリル硫酸ナトリウムヨウ素酸塩の放射能はヨウ化物の総放射能の5%以下である.6.製剤の各種条件下における安定性該当資料なし5IV.製剤に関する項目7.調製法及び溶解後の安定性該当資料なし8.他剤との配合変化(物理化学的変化)該当資料なし9.溶出性該当資料なし10.容器・包装(1)注意が必要な容器・包装,外観が特殊な容器・包装に関する情報被曝軽減と取扱いの観点から,カプセルはガラス製バイアルに入れて鉛容器に梱包されている.(2)包装10カプセル[バイアル](3)予備容量該当しない(4)容器の材質透明ガラス製容器11.別途提供される資材類該当しない12.その他該当資料なし6V.治療に関する項目V.治療に関する項目1.効能又は効果○甲状腺放射性ヨウ素摂取率測定による甲状腺機能検査○シンチグラムによる甲状腺疾患の診断及び甲状腺癌転移巣の発見2.効能又は効果に関連する注意5.効能又は効果に関連する注意本品の使用は、本品より被曝の少ない薬剤が入手し得ない場合に限ること。3.用法及び用量(1)用法及び用量の解説〈甲状腺放射性ヨウ素摂取率の測定〉本品0.185~1.85MBqを経口投与し、一定時間後に甲状腺部の放射能を測定する。〈シンチグラム〉本品0.74~3.7MBqを経口投与し、一定時間後にシンチグラムを得る。甲状腺癌転移巣のシンチグラムを得る場合は、18.5~370MBqを経口投与する。(2)用法及び用量の設定経緯・根拠PDRファーマ株式会社において用法及び用法設定のための臨床試験は行っていない(ダイナボット社の製造承認承継のため).4.用法及び用量に関連する注意設定されていない5.臨床成績(1)臨床データパッケージ該当しない(2)臨床薬理試験該当資料なし(3)用量反応探索試験該当資料なし(4)検証的試験1)有効性検証試験国内臨床試験〈甲状腺放射性ヨウ素摂取率の測定〉甲状腺131I摂取率に関しては,下記のような臨床試験(6施設1,312例に関する施設毎の報告を取りまとめたもの)が報告されている.7V.治療に関する項目疾患名症例数甲状腺機能亢進症449単純性(びまん性)甲状腺腫361結節性甲状腺腫140バセドウ病107甲状腺腫81慢性甲状腺炎50甲状腺機能低下症48悪性甲状腺腫30亜急性甲状腺炎20甲状腺癌10散発性家族性甲状腺腫性クレチニズム10眼球突出だけで中毒症状を伴わないもの6計1,312〈シンチグラム〉シンチグラムに関しては,下記のような臨床試験(9施設2,607例に関する施設毎の報告を取りまとめたもの)が報告されている.疾患名症例数甲状腺腫732甲状腺機能亢進症526甲状腺癌300悪性甲状腺腫285良性甲状腺腫195単発性甲状腺腫165甲状腺炎122結節性甲状腺腫68内分泌疾患61慢性甲状腺炎44甲状腺癌の転移38甲状腺機能低下症33単純性甲状腺腫31その他72)安全性試験該当資料なし(5)患者・病態別試験該当資料なし(6)治療的使用計2,6071)使用成績調査(一般使用成績調査,特定使用成績調査,使用成績比較調査),製造販売後データベース調査,製造販売後臨床試験の内容該当資料なし2)承認条件として実施予定の内容又は実施した調査・試験の概要該当資料なし(7)その他該当資料なし8VI.薬効薬理に関する項目VI.薬効薬理に関する項目1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群該当しない2.薬理作用(1)作用部位・作用機序ヨウ化ナトリウム(131I)は,体内に吸収されると血中へ移行し,甲状腺の上皮細胞により能動的に甲状腺に取り込まれ3),甲状腺ホルモンであるチロキシンやトリヨードチロニンの合成のために,甲状腺又は甲状腺機能を持つ部位へ集まり,残りの131Iは速やかに腎より排泄される.甲状腺機能亢進症(バセドウ病,甲状腺腫)の患者では,正常者に比べて摂取率が高く,反対に甲状腺機能低下症では低くなる.更に甲状腺シンチグラムをとることにより甲状腺がんの転移巣を発見することができる.(2)薬効を裏付ける試験成績ヨウ化ナトリウム(131I)が体内に取り込まれると,甲状腺ホルモンであるチロキシンやトリヨードチロニン合成のために131Iは甲状腺に蓄積される.正常の甲状腺は24時間後20~30%を摂取し,残りは尿中に排泄される.甲状腺機能亢進症(バセドウ病,甲状腺腫)では健常者に比べて摂取率が高く30~70%程度に達する.反対に甲状腺機能低下症(粘液水腫)では摂取率は15%以下である3).131Iを投与した場合の実効半減期4)甲状腺機能亢進症甲状腺癌甲状腺甲状腺以外の臓器5.7日注)0.32日甲状腺甲状腺以外の臓器7.3日0.32日注)甲状腺への131Iの集積率が70%と仮定した場合の実効半減期を示している.なお,甲状腺機能亢進症の甲状腺への131I集積率が90%~30%の場合,生物的半減期は10日~65日であると示されている.実効半減期5.7日は,集積率70%の生物学的半減期20日と物理的半減期8.02日から求めたもの(20×8.02/(20+8.02)=5.7).(3)作用発現時間・持続時間該当資料なし9VII.薬物動態に関する項目VII.薬物動態に関する項目1.血中濃度の推移(1)治療上有効な血中濃度該当資料なし(2)臨床試験で確認された血中濃度131Iは容易に体内に吸収され,経口投与後19分から急速に血中濃度が上昇する.血中の131Iは,直ちに体液中に拡散すると同時に,甲状腺と腎の二つの臓器により代謝される.急速に上昇した131I血中濃度は,時間とともに指数関数的に減少して24時間後には著しく低下し,72時間後には血中131Iは検出されなくなる5).(3)中毒域該当資料なし(4)食事・併用薬の影響「VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目」の「11.適用上の注意」参照.2.薬物速度論的パラメータ(1)解析方法該当資料なし(2)吸収速度定数該当資料なし(3)消失速度定数該当資料なし(4)クリアランス下の式から求めた投与後の日数と体内残留率6)投与後の投与量に対する残留率(%)病気の種類甲状腺癌甲状腺機能亢進症日数(日)0.512345671014身体全体36.915.45.43.93.43.12.82.61.91.3甲状腺4.84.54.13.83.43.12.82.61.91.3身体全体76655549433834302113甲状腺66625549433834302113DT(t)=A×(B×e-0.693/T1×t+C×e-0.693/T2×t)ただし,DT(t)亢進症)T1:甲状腺における131Iの実効半減期=7.3日(甲状腺癌),5.7日(甲状腺機能亢進症)T2:甲状腺以外の組織・臓器での131Iの実効半減期=0.32日t:投与後の時間(日):131Iの投与後t日目の体内残留放射能量(MBq)A:131Iの投与量(MBq)B:投与量に対する131Iの甲状腺の集積率=0.05(甲状腺癌),0.7(甲状腺機能亢進症)C:投与量に対する131Iの甲状腺以外の組織・臓器の分布率=0.95(甲状腺癌),0.3(甲状腺機能10VII.薬物動態に関する項目(5)分布容積該当資料なし(6)その他該当資料なし3.母集団(ポピュレーション)解析(1)解析方法該当資料なし(2)パラメータ変動要因該当資料なし4.吸収該当資料なし5.分布(1)血液−脳関門通過性該当資料なし(2)血液―胎盤関門通過性妊娠12週以後で,胎盤を通って胎児甲状腺に移行する7).(3)乳汁への移行性授乳中の婦人に131I1.11MBqを投与した場合の乳汁中の131I濃度の推移を次に示す8).131Iはかなり母乳中に排泄され,その量は131Iの投与量と母乳量に大きく影響される.(4)髄液への移行性該当資料なし(5)その他の組織への移行性母乳中の131Iの減少曲線大部分は甲状腺に集積し,他の臓器には,甲状腺に対して1%以下の放射能が集積したにすぎず,骨髄,腎臓,性腺は特に集積するというデータは得られなかった9).11VII.薬物動態に関する項目(6)血漿蛋白結合率該当資料なし6.代謝(1)代謝部位及び代謝経路投与後20~30分の時点では甲状腺による選択的なヨウ素の取り込みを反映する.2~3時間後では取り込まれた131Iはサイログロブリンのチロシン基に結合して有機化され,更に一部は縮合反応により合成された甲状腺ホルモンに入る.24時間以降になると甲状腺分泌に伴って甲状腺から血中に131Iが逆戻りしている.腎もまたヨウ素代謝に重要な役割を果たし,甲状腺に摂取されなかった131Iは,24時間以内にほとんどが腎から体外に排泄される5).(2)代謝に関与する酵素(CYP等)の分子種,寄与率該当資料なし(3)初回通過効果の有無及びその割合該当資料なし(4)代謝物の活性の有無及び活性比,存在比率該当資料なし7.排泄前述の「(1)代謝部位及び代謝経路」の項を参照.8.トランスポーターに関する情報該当しない9.透析等による除去率該当資料なし10.特定の背景を有する患者「VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目」の「6.特定の背景を有する患者に関する注意」参照.11.その他該当資料なし12VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目1.警告内容とその理由設定されていない2.禁忌内容とその理由設定されていない3.効能又は効果に関連する注意とその理由「V.治療に関する項目」の「2.効能又は効果に関連する注意」参照.4.用法及び用量に関連する注意とその理由設定されていない5.重要な基本的注意とその理由6.特定の背景を有する患者に関する注意(1)合併症・既往歴等のある患者設定されていない(2)腎機能障害患者設定されていない(3)肝機能障害患者設定されていない(4)生殖能を有する者設定されていない(5)妊婦<解説>生殖能力のある婦人に投与する場合,理想的には月経開始日から約10日間がよい10).(6)授乳婦9.6授乳婦授乳を避けさせること。8.重要な基本的注意診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。9.5妊婦妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。13VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目(7)小児等<解説>放射性医薬品の小児投与量に関しては数多くの算出法が考案されているが,次式による算出値が最も一般的で9.7小児等投与しないことが望ましい。被曝による不利益が診断上の有益性を上回ると考えられる。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。ある11).(8)高齢者9.8高齢者小児投与量=成人投与量×Y+1(Y:年齢)Y+7(投与量は放射能を示す)患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。7.相互作用(1)併用禁忌とその理由設定されていない(2)併用注意とその理由設定されていない8.副作用設定されていない(1)重大な副作用と初期症状設定されていない(2)その他の副作用設定されていない9.臨床検査結果に及ぼす影響設定されていない10.過量投与設定されていない11.適用上の注意14.適用上の注意14.1薬剤投与時の注意ヨウ素含量の多い薬剤(ヨード造影剤、ルゴール液、ヨードチンキ等)及び飲食物(コンブ、ワカメ等)、甲状腺ホルモン、抗甲状腺剤は検査に影響を与えるので、本品投与前少なくとも1週間は原則として禁止すること。14VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目12.その他の注意(1)臨床使用に基づく情報設定されていない<参考>(社)日本アイソトープ協会医学・薬学部会放射性医薬品安全性専門委員会の「放射性医薬品副作用事例調査報告」において,まれに血管迷走神経反応,アレルギー反応,その他(嘔気,嘔吐など)があらわれることがあると報告されている.(2)非臨床試験に基づく情報設定されていない15IX.非臨床試験に関する項目IX.非臨床試験に関する項目(分布)ラットにNa131I3.7MBq/0.5mLをエーテル麻酔下で尾静脈より投与し,経時的にγ線計測を行った結果は次の通りである.全身計測では放射能は投与後2日目までに急速に消失し,3週間後に99%が消失した.甲状腺摂取率は投与1日後32%で最も多く,その後4日までの間に速やかに131Iを放出しそれ以後は有効半減期約4.5日で指数関数的に減少した.血中131I濃度は投与後1日目までに急速に減少し,1日目から4日目の間比較的ゆるやかに減少し,それ以後は有効半減期約4.5日で指数関数的に減少した.有機ヨウ素は肝で代謝されるが,無期ヨウ素は腎より尿中に排泄される12).(排泄)上記「(分布)」の項を参照.(吸収線量)本品1.85MBqを投与したときの吸収線量は,甲状腺の131I摂取率が85%の場合,甲状腺596mGy,腸4.28mGy,全身0.38mGyである.甲状腺131I摂取率が,50%の場合の甲状腺の吸収線量は351mGy,25%では175mGy,15%では14mGyである13).1mの点における被ばく係数注1),14):1)公衆の被ばく係数=0.252)介護者の被ばく係数=0.5注1):着目核種の点線源(ここでは患者)から1mの距離の場所に無限時間(核種がすべて崩壊するまでの時間)滞在したときの積算線量(被ばく係数=1)と,実際に第三者が患者から受けると推定される線量との比で,患者と第三者が接する距離と時間に関係する係数.組織・臓器の吸収を考慮した1cm線量当量率定数注2):0.0650μSv・m2・MBq-1・h-1注2):1MBqの点線源から1mの距離における1cm線量当量率(μSv・h-1).1.薬理試験(1)薬効薬理試験「VI.薬効薬理に関する項目」参照(2)安全性薬理試験該当資料なし(3)その他の薬理試験該当資料なし2.毒性試験(1)単回投与毒性試験該当資料なし(2)反復投与毒性試験該当資料なし(3)遺伝毒性試験該当資料なし(4)がん原性試験該当資料なし(5)生殖発生毒性試験該当資料なし16IX.非臨床試験に関する項目(6)局所刺激性試験該当資料なし(7)その他の特殊毒性該当資料なし17X.管理的事項に関する項目X.管理的事項に関する項目1.規制区分製剤:処方箋医薬品(注意-医師等の処方箋により使用すること)有効成分:該当しない2.有効期間有効期間:検定日から1箇月間3.包装状態での貯法冷所保存4.取扱い上の注意20.取扱い上の注意放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。放射性医薬品につき管理区域内でのみ使用すること.「VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目」の「11.適用上の注意」参照.5.患者向け資材患者向け医薬品ガイド:なしくすりのしおり:なしその他の患者向け資材:ヨウ素制限のコツ(問い合わせ先;弊社医薬情報担当者)6.同一成分・同効薬(1)同一成分ヨウ化ナトリウムカプセル-1号ヨウ化ナトリウムカプセル-3号ヨウ化ナトリウムカプセル-5号ヨウ化ナトリウムカプセル-30号ヨウ化ナトリウムカプセル-50号(2)同効薬ヨウ化ナトリウム(123I)カプセル7.国際誕生年月日該当資料なし18X.管理的事項に関する項目8.製造販売承認年月日及び承認番号,薬価基準収載年月日,販売開始年月日製造販売承認年月日:1990年8月2日承認番号:20200AMZ00860薬価基準収載年月日:1990年8月2日販売開始年月日:1995年4月10日(1995年4月1日にダイナボット社の製造承認を承継した.)9.効能又は効果追加,用法及び用量変更追加等の年月日及びその内容該当しない10.再審査結果,再評価結果公表年月日及びその内容再評価結果:1982年1月18日11.再審査期間該当しない12.投薬期間制限に関する情報該当しない13.各種コード販売名ラジオカップ3.7MBq14.保険給付上の注意該当しないHOT(9桁)番号114339302厚生労働省薬価基準個別医薬品コードレセプト電算処理収載医薬品コード4300003M3018(YJコード)4300003M3026システム用コード61431004019XI.文献XI.文献1.引用文献1)木下文雄.Radioisotopes.1982;31:44-54.(PMID:6175998)2)伊丹康人・宮地幸隆著.核医学体系9臨床核医学骨・関節系/内分泌系,実業公報社東京,1977:p1693)第十六改正日本薬局方解説書,廣川書店東京,2011:pC-5035-50364)医療放射線防護連絡協議会編集厚生省医薬安全局安全対策課編集協力.ブックレット・シリーズ2放射性医薬品を投与された患者の退出に関する解説Q&A,1998:p65)舘野之男・山崎統四郎編集.核医学概論,東京大学出版会東京,1983:p1926)医療放射線防護連絡協議会編集厚生省医薬安全局安全対策課編集協力.ブックレット・シリーズ2放射性医薬品を投与された患者の退出に関する解説Q&A,1998:p22-237)伊丹康人・宮地幸隆著.核医学体系9臨床核医学骨・関節系/内分泌系,実業公報社東京,1976:p1538)WeaverJCetal.JAmMedAssoc.1960;173:872-875.(PMID:13843240)9)KurlandGSetal.JClinEndocrinolMetab.1951;11:843-856.(PMID:14861293)10)RecommendationsoftheInternationalCommissiononRadiologicalProtection(AdoptedSeptember17,1965),ICRPPublication9,1966:p1111)(社)日本アイソトープ協会医学・薬学部会核医学イメージング規格化委員会.Radioisotopes.1988;37:627-632.(PMID:3222473)12).長崎医学会雑誌.1971;46:71.13)上田英雄・飯尾正宏編集.核医学臨床生理診断法,医歯薬出版東京,1971:p4114)厚生省医薬安全局安全対策課長通知(医薬安発第70号,1998年6月30日付)2.その他の参考文献1)放射性医薬品基準.厚生労働省告示第八十三号(平成二十五年三月二十九日)2)(社)日本アイソトープ協会編集.アイソトープ手帳,丸善東京,2011.3)厚生労働省「日本薬局方」ホームページ:第十六改正日本薬局方医薬品各条:1365.4)USP35-NF30(U.S.Pharmacopeia-NationalFormulary)2012.20XII.参考資料XII.参考資料1.主な外国での発売状況SodiumIodide(131I)Capsulesは,現在欧米各国で発売されている.またUSPにもSodiumIodideI131Capsulesの名称で収載されているので参考にされたい.2.海外における臨床支援情報(1)妊婦への投与に関する海外情報米国:PregnancyCategoryXSeeCONTRAINDICATIONSsection.CONTRAINDICATIONSSodiumIodideI-131iscontraindicatedforuseinwomenwhoareormaybecomepregnant.Iodine-131maycauseharmtothefetalthyroidglandwhenadministeredtopregnantwomen.Reviewoftheliteraturehasshownthattransplacentalpassageofradioiodidemaycausesevere,andpossiblyirreversible,hypothyrodisminneonates.UseofSodiumIodideI-131inwomenofchildbearingageshouldbedeferreduntilthepossibilityofpregnancyhasbeenruledout.Ifthisdrugisadministeredtoawomanwithreproductivepotential,thepatientshouldbeapprisedofthepotentialhazardtoafetus.NursingMothersRadioiodineisexcretedinhumanmilkduringlactation.Therefore,formulafeedingsshouldbesubstitutedforbreastfeedingsRev:1/2011(2)小児等への投与に関する海外情報米国:PediatricUseSafetyandefficacyinpediatricpatientshavenotbeenestablished.Rev:1/20119.5妊婦妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。9.6授乳婦授乳を避けさせること。9.7小児等投与しないことが望ましい。被曝による不利益が診断上の有益性を上回ると考えられる。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。21XIII.備考XIII.備考1.調剤・服薬支援に際して臨床判断を行うにあたっての参考情報(1)粉砕該当しない(2)崩壊・懸濁性及び経管投与チューブの通過性該当しない2.その他の関連資料該当資料なし22